林長茂(新竹中學校第二回畢業),林興和先生提供,李恒全老師翻譯
卒業前の淋しい我が心
本日五年二組の教室にて主任の佐藤先生から
卒業試験は二月十七日から始って廿三日に終ると
おつしゃいました其の後幾日もなくして吾は送り
出されるのである。この愛する學校を‼
この先生のお語が私の懐校懐友の情を誘ひ出す
私は急に淋しくなり悲しくなる無限に無限に‼そ
して胸がひきさく思いがする。吾に中學生活は
ニケ月以上は決して許さない有限の時間に無限に
湧き上る情を如何におへるべかてし*(?)!私は悲しい。
小鳥囀り、櫻の咲く頃と共に目出度く第二回の卒
業生として學校を出、そして新調の服に新調の靴を
はき中折れをかぶり眼鏡をかけステキをふって古
郷に归るのもうれしいがこの離別にたへぬ私の
前には餘りに小さ過ぎる。思うに中學時代も不境
のために隨分きついことも有りました比較に
苦しく、面白いこともすくなく、そして涙の日を送ったこ
ともすくなくない然し今に學校を出て社會へ送
出さる心の淋しさと不安さ苦しいなからも私は
學校時代が恋ひしくなる。今でこそ囍戲として友
と語り合う嬉しさ、卒業後の一ヶ年は私はどんなに苦
しい思ひして....。 昭和三年正月十日、
畢業前我的心感到寂寞
今天在五年二班教室裡,主任的佐藤老師對我們說: 畢業考試從二月十七日開始,二十三日結束,在那不久之後, 我就要畢業被送出這所心愛的學校! 老師的此番話勾起了我懷校懷友的情懷, 我突然感到無限地、無限地寂寞與悲傷,而胸口像是被撕裂了一般。 我的中學生活所剩不到兩個月, 在此有限的時間裡,我該如何度過這無限湧上的情緒呢? 真是傷感啊。 鳥鳴啁啾、櫻花盛開時,可賀地我將以第二屆畢業生的身份離開學校, 穿上新衣服和新鞋子、配戴費多拉帽與眼鏡光鮮亮麗的返回故鄉,是令人開心的。 但在難以承受離別的我而言,開心實在是渺小。 回想在中學時代,因為困境,非常辛苦, 相對於痛苦,也沒有什麼有趣的事情,有些日子偶爾也會流淚。 但現在我要離開學校,進入到到社會上, 我的心感到寂寞與不安,雖然痛苦,我還是懷念著學生時代。 現在我與一起嬉戲的朋友,開心玩樂的聊天是多麼地喜悅, 但畢業後的第一年,想起來我將會多麼的痛苦啊! 昭和三年正月十日
二月廿三日
中學の最後の試験‼即ち卒業試験が今日を以
で終りました。教室でペンを取るのも今日限り先
生の講義を聞くのも今日限りである第三時間の
終りの鐘(カネ)がカンカンカンと三つなって生徒は皆
の黒く染めた答案紙を出さしました今日を限り
として別れるではあらねど急に心淋しくなっ
た。悲しむともなく悲しんだ。心底深き所、痛み覺
え胸をとどかせて波立たせ、いやに落ちつきがな
かった。
見慣れし十八尖山の山山 風吹く草木の戰ぐも
懐しく見へ、渡る風吾に別をつけんとす。日頃仲の
のうるはしからぬ友も親しくない心から彼等を
愛したくなる。下級生離別の情、眼に表れ吾心にひ
びく。殊に校長先生が吾等に対して餞の言葉を賜
いました、其の言葉はさほどあらねど「餞」と云うこ
とばが深く強くひびいて一層離別に苦しむ情が
贈す。とぼとぼと友と語りつつ校内を出るや見る
風物盡く情ありげに見へて胸を痛む。楊古井君はさらに
別を惜み吾に餞宴をひらいた。つく酒うける盃
皆友情のほとばしりである。
二月二十三日 中學的最後一次考試!也就是畢業考試在今天結束了。 在教室裡拿筆也只到今日、聽老師講課也只到今日。 第三節課結束的鐘聲康、康、康響了三次, 學生交出染成黑色的答案紙。 雖然不是今天就要別離,但心裡突然感到無比的寂寞。 我不自主地感到悲傷。心底深處,痛徹心扉, 胸口如波浪起伏不平,心情就是靜不下來。 看慣的十八尖山的山脈,風吹草木搖曳,卻看起來令人懷念, 吹過的風像是對我告別。 平常關係沒那麼要好的朋友,也會由衷的想親愛他。 學弟們的離別之情盡在眼裡,深深敲打我的心。 尤其是校長送給我們的餞別之言,雖然並不長, 但“餞”這一個字深刻而強烈地敲打我心,給我更深刻的離別之痛。 我微弱無力地和朋友一邊聊天走出校園, 此時映入眼簾之物都充滿著風情,我的胸口一陣揪痛。 楊古井君更是特別為我舉辦一場送別宴會。
斟酒乾杯,盡是友誼的激流。
卒業後の生活
雨は降る。あたりは静かな春の夜である。ふる雨
が瓦に落ち昔一層淋しさを增す。身は一ヶの青年
である。あやふやな希望になやむ青年にこ
の寂(セキ)寞は一人胸痛める。ホめんとしてホめ得らず青
年の悲哀しなんなる暗黑である。眉間深くとざさ
れて鬱雲晴れず、時々漏れに吐意気!絕望にひびく。
発する言語生気なく笑う声、ほららかならず。歩くの
頭たれかちになり肩(カダ)幅ちぢまり家眼銳く吾をに
らみあざけ笑はんが如く焼ゆる青年の血潮將に
君に離んとす。友人の成功彼の角
帽姿を連想して我か身をかえり見れば情けなさる涙
流る。友人知人から方針をきかされて返事にかな
きを覺ゆればあさましくなる。獨り座して冥(メイ)想す
れば万解の愁慕り断膓の思ひをする鏡に対して
己のあさましさを見れば新なに温(アワ)い涙がこぼれ、夢
に見て夜間睡眠を苦しむ。家庭の情態悲を五つ日增し、容(ヤウ)貌健康吾に恨を添へる
誰か知らぬ二十二の青年が時勢に苦まぬ然し決
して君は此を然恨まなぬ只願くば吾によき健康と清き精神
を與へ給へ吾医専に合恪せずんば吾死なへのみ!
昭和叁年三月三十一日夜
畢業後的生活 雨下著。一個安靜的春夜。雨滴在瓦上,寂寞之感倍增。 我身為一個年輕人,在朦朧的希望裡,感到煩惱的青年。 對於這樣的寂寞只能獨自感到胸口疼痛。 XXXXXX這是青年的悲哀與黑暗。 眉間深鎖,鬱雲不快,時而嘆息!發出絕望之聲。 說出來的語言,沒有生命之氣而不明朗。 走路也垂頭喪氣,肩膀內縮, 家人眼力銳利,瞪我並嘲笑我, 燃燒著青年的熱血,我即將離開你。 朋友的成功,想到他戴著角帽的樣子, 回顧自身情不自禁的流淚。 我的朋友和認識的人問我接下來的方向, XXXXXX。一個人坐著冥想, 萬解之愁緒累積,對著鏡子看到可悲的自己, 不由得湧出新的暖淚, 做夢而夜晚難眠。 家庭的情態悲傷加添了五日, 容貌健康讓我增添恨意。 不為人知的二十二歲之青年,不為時勢所苦, 但絕對不會恨你。 只希望賜予我有健康與好的精神, 如果考不上醫專,我就會死!
昭和叁年三月三十一日夜
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